室内外の温度差による病気



   冷房病。日本でもクーラーが導入された当時はオフィスで「身体がだるい」あるいは「肩こりがひどい」「関節が痛む」等の症状があり、原因は屋内外の温度差や過度の冷房による適応障害として有名になった。経済的な問題も含めて、過度な冷房は身体には良くないので外気温に合わせた最低限の冷房をするのが良いとされている。一説にはこのような身体の変調は自律神経による身体の調節異常によるとされている。

   フィリピンでは、このような温度差を考慮した空調を行っている状況は少なく冷房が効きすぎているばかりか温度の調節も難しいビルが多い。汗をかいたままの状態で気温の変化にあうとその影響は非常に増幅される。フィリピン人は冷房が発達する前から汗をかいたままの状態が健康に悪いと知っていたようである。小さいときから汗を拭きとることの重要性を教育的にしつけとして学んでいて、吹き出た汗を見せない事がエチケットとしても定着しているようである。流れる汗は、風を当てるだけで急激な体温の変化を来たし健康上もあまりよい事で無い事を経験的に知っていたようで、それが現在の冷房による悪影響を最小限におさえているともいえるであろう。

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